【改訂版】Q,受験で古文があるんですけど古典文学は読んだことありません。手っ取り早くあらすじがわかる本ありませんか?

「受験で古文があるんですけど古典文学は読んだことありません。手っ取り早くあらすじがわかる本ありませんか?」とご質問をいただきました。
本来は自分で工夫する必要が有ることなのですが、古典文学の魅力を知ってくれる人を増やしたいと感じました。私は学生時代に中世日本文学を研究していましたので、私見を回答します。
目次
古典文学のあらすじを漫画+入門書で
古典文学全般
漫画で古典のあらすじを知りたいなら、蛇蔵&海野凪子「日本人なら知っておきたい日本文学」がオススメです。清少納言や紫式部、鴨長明、吉田兼好、安倍晴明など著者にフォーカスを当てつつ古典のあらすじもさらっとわかります。
▼日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典
蛇蔵 海野 凪子
幻冬舎 2011-08-25
Amazonで詳しく見る by G-Tools
古典文学全般のあらすじと解説を一気に読めるのが、山口仲美先生の「日本語の古典」です。山口先生は、世界一受けたい授業(日本テレビ系)や『100分de名著』(NHK Eテレ系)でおなじみの国語学者です。
この本では、奈良時代の『古事記』から、江戸時代の『春色梅児誉美』、まで、歴代の名作30作品が紹介されています。『源氏物語』のストーリーが数ページで巧みにまとめられています。大和和紀先生の『あさきゆめみし』を読む時間さえない、という場合はこの本がオススメです。
源氏物語
源氏物語ならば大和和紀「あさきゆめみし」が有名です。絵が美しいですし、あらすじもばっちりわかります。この漫画は一気に大人読みできるので、勉強と言うより娯楽として楽しむことができます。iBooksやKindle版で購入すると、本のスペース節約ができて良いですよ。
▼大和 和紀『あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット』
講談社 2001-08-01
Amazonで詳しく見る by G-Tools
平家物語
平家物語も本屋の漫画コーナーて見かけました。佐久間 智代先生の『平家物語』は平敦盛、平資盛など、平家のひとたちのストーリーをわかりやすくまとめています。
▼横山 光輝『平家語物 (上)―マンガ日本の古典 (10) 中公文庫』
中央公論新社 2000-01
Amazonで詳しく見る by G-Tools
▼横山 光輝『平家物語(中)―マンガ日本の古典 (11) 中公文庫』
中央公論新社 2000-02
Amazonで詳しく見る by G-Tools
▼横山 光輝『平家物語(下)―マンガ日本の古典 (12) 中公文庫』
中央公論新社 2000-03
Amazonで詳しく見る by G-Tools
漫画を読むのも面倒だという場合は溝口監督の映画「新・平家物語」がDVDされているので、映画を観れば平清盛を中心とした一大スペクトラムがわかりやすいのではないでしょうか。詳細な部分に関しては端折られているので、参考書や原文をあわせて読んでくださいね。
角川エンタテインメント 2009-11-27
Amazonで詳しく見る by G-Tools
枕草子
NHKのまんがで読む古典は映画綺麗でわかりやすいとウェブ上で評判が良かったです。名作の原文を読む前に読むととっつきやすいのではないでしょうか?
▼NHK まんがで読む古典 1 枕草子 (ホーム社漫画文庫―NHKまんがで読む古典 (特5-1))
面堂 かずき
ホーム社 2006-02-17
Amazonで詳しく見る by G-Tools
山口仲美先生は、初心者向けの門書も書かれています。古典が苦手な人でも、説明が上手なのですんなり読めますよ。
更級日記と蜻蛉日記
私は『女流文学日記』という本で、古文と現代訳を対照させて読みましたが、川村裕子先生の本もおすすめです。入門書なので、あらすじも当時の習慣もわかりやすかったです。
入門書として、角川ソフィア文庫からいい本が出版されていました。
文字はいやだという方は、漫画で読む古典をオススメします。
▼NHK まんがで読む古典 2 更級日記・蜻蛉日記 (ホーム社漫画文庫―NHKまんがで読む古典 (特5-2))
羽崎 やすみ
ホーム社 2006-03-17
Amazonで詳しく見る by G-Tools
文学のあらすじを、テレビや入門書で知る
Jブンガク
100分de名著とか、ロバート ・キャンベル先生のJブンガクなど、テレビで文学のあらすじがわかる番組が増えています。どれか一冊だけオススメするとしたら、キャンベル先生の『Jブンガク―英語で出会い、日本語を味わう名作50』が一推しです。
古典文学は歴史的仮名遣いで書かれているので、読みにくい文章に出逢う時があります。キャンベル先生の本は、日本語+英語訳があり、英語のおかげで内容がよくわかる場合があります。
『Jブンガク―英語で出会い、日本語を味わう名作50』には、中古文学から現代文学まで50作品収録されています。
【主な掲載作品】
清少納言『枕草子』、松尾芭蕉『奥の細道』、夏目漱石『三四郎』、福沢諭吉『学問のすゝめ』、
中里介山『大菩薩峠』、小林多喜二『蟹工船』、林芙美子『放浪記』、石原慎太郎『太陽の季節』、江國香織『間宮兄弟』、川上弘美『蛇を踏む』等50編。※http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4130830546/ より引用
江戸時代の古典文学がどこかの学校で出題された記憶があります。江戸時代の古典文学は勉強が足りなくなりがちなので、松尾芭蕉『奥の細道』など近世文学の概要を知っておくと役立ちます。
100分de名著
山口仲美先生は、『100分de名著』(NHK Eテレ系)で『枕草子』を楽しく解説されています。映像は、NHKアーカイブで公開されているので、番組を観ればどんな内容かすぐにわかります。
Related Posts
Author Profile
- 国家資格キャリアコンサルタント。JCDA認定CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)。元IT系講師。ITmediaオルタナティブ・ブログでは、「教育ICT」に関する記事を連載中。http://blogs.itmedia.co.jp/kataoka/
Latest entries
コメント
- トラックバックは利用できません。
- コメント (0)
この記事へのコメントはありません。