デル株式会社

情報漏えいとウェブ・リテラシーを考える

Pocket

先日、ビックリした出来事がありました。窃盗の被害にあった男性が容疑者の少年の実名や写真を個人のブログに公開したと話題になっていたからです。なぜ被害者は自ら個人情報情報を公開したのか。

なぜ被害者は自ら個人情報情報を公開したのか

「[ニュース]窃盗被害者が容疑少年の情報をブログで公開」で考察がありました。

少年法の方針に基づき、未成年者の犯罪については氏名を伏せられた形で報道されます。それが念頭にあったのだろうと思われ、

「未成年者の被疑者の氏名を伏せることで、犯罪が抑止されなくなっている」
→「自分が知り得た範囲だけでも積極的に公開することで、抑止力を向上させる」
→「だから容疑者の情報を公開することは正しいことだ、今の法律やメディアが間違っている」
といった思考回路になったものと思われます。あるいはもっと単純に、自分の車を盗んだやつを社会的に罰してやりたい、という気持ちからかもしれません。

http://joy.blog-switching.com/tamago915/2012/06/02/[ニュース]窃盗被害者が容疑少年の情報をブロ/ より引用

窃盗被害者は容疑者の情報をウェブに公開することで今後の犯罪を減らしたい、容疑者を罰したいなど何らかの正義の意図があってウェブに情報を掲載した可能性が考えられます。

しかし、他人の情報を無断でウェブに公開することは肖像権や名誉毀損、個人情報保護法の面において違法の可能性があります。容疑者が無実だった場合は取り返しがつかない事態になりかねません。

今回は警察からの削除依頼によりウェブに公開された窃盗容疑者の写真や記事は削除されたと報道されました。ですが、ブログを見た人が画面キャプチャーを撮ったり、ウェブ魚拓というサービスで記録が取られた可能性が考えられます。

そういたしますとウェブから個人の情報が完全に消えたわけではありません。被害者が正義の気持ちで容疑者の情報を公開した場合でも、自ら他人の個人情報を漏洩してブログに掲載した事実は消えない可能性が高くなっています。

特定の誰か・組織を批判したいわけではなく、窃盗被害を受けた方の今後に問題が起こらないのかが心配になりました。

実際はリテラシーの問題

鎖に巻かれたiPhone

この事件の論点は個人情報の漏えいにあるように見えますが、実際はウェブ・リテラシーの問題が深く絡んでいると考えられます。ウェブに何を書いていいのか。何を書いてはいけないのか。モラルの問題が浮かび上がってきます。

Twitterに軽犯罪の自慢を書き込み炎上。実名が特定され個人情報の流出。バッシング。失職。という流れの出来事がTwitterはバカ発見器と呼ばれる事態になりました。

ウェブ・リテラシーおよびモラルについては以前、「Twitterだけではウェブに書き込んだものすべてがバカ発見器かもしれない」に書きました。

参考:Twitterだけではウェブに書き込んだものすべてがバカ発見器かもしれない
http://blogs.itmedia.co.jp/kataoka/2011/12/twitter-3e6a.html

ウェブは大勢の人が群雄割拠する人前の場です。何を言っていいのかわるいのか。ウェブ・リテラシーにはよくよく注意したほうが良いとお伝えしたい次第です。リアルな場と同じくコミュニケーションの取り方には気をつけたいものです。

変更履歴:2012年10月7日19:58に改稿しました。2014.12.20 15:51 見出し「なぜ被害者は自ら個人情報情報を公開したのか」「実際はリテラシーの問題」を追加しました。

Author Profile

片岡杏紗(あさ)
国家資格キャリアコンサルタント。JCDA認定CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)。元IT系講師。ITmediaオルタナティブ・ブログでは、「教育ICT」に関する記事を連載中。http://blogs.itmedia.co.jp/kataoka/
Pocket

コメント

  • トラックバックは利用できません。
  • コメント (0)
  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


ウェブサイト翻訳ツール

アーカイブ

Zenback

ページ上部へ戻る